2021年7月8日
温室効果ガス(GHG)スコープ2研究会
スコープ2排出量開示ガイダンス改訂版(Version 1.1)の公表
温室効果ガス(GHG)スコープ2研究会※は、企業やそのステークホルダーを対象に、スコープ2排出量を適切に開示するためのガイダンス「スコープ2排出量開示ガイダンス~日本の事業者及びステークホルダーのための~」(Version 1.0)を公表しておりましが、今回その改訂版(Version1.1)を作成し、公表いたしました。
※:企業のスコープ2排出量開示制度について調査・研究を行っている私的研究会。
環境報告書やウエブサイトで、多くの日本の企業(以下「事業者」)は、温室効果ガス排出量をスコープに分けて開示しています。 そのなかで、スコープ2排出量(電力などの使用にともなう間接排出量)について、事業者は、任意に選んだ様々な方法で算定し、開示を行っています。 同時に、ステークホルダーの多くが、排出量削減についての事業者の姿勢や取り組みに非常に高い関心を持っています。 しかし、事業者が用いた算定方法によっては、開示されたスコープ2排出量が、排出量削減についての事業者の姿勢や取り組みを、必ずしも正しく反映していない場合が見られます。 また、開示が不十分で、どのような算定方法を用いたか明確でない場合もあります。 そのため、算定方法や開示方法によっては、ステークホルダーから、実態に反して、排出量削減について事業者が消極的であると評価されたり、取組姿勢に疑念を持たれたりする恐れが生じています。
このような状況において、このスコープ2排出量開示ガイダンスは、以下を目的に作成されています。
l ステークホルダーから正当な評価を受けるために、スコープ2排出量の算定・開示において、事業者はどのような方法を用いるのが望ましいかについてガイダンス(指針)を提供する。
l 事業者のステークホルダーが、開示されたスコープ2排出量を評価する際の参考情報となり、その評価の一助となること。
上記の目的のため、このスコープ2排出量開示ガイダンスでは、次の事項について記載しています。
1. 二元報告を行う場合に、ロケーション基準手法合計量とマーケット基準手法合計量それぞれの算定に用いるのが望ましい排出係数の種類は何か。 また、一つの排出量のみの開示(一元報告)において用いるのが望ましい排出係数の種類はなにか。
2. 事業者がスコープ2排出量を開示する場合に、一元報告と二元報告のどちらで実施するのが望ましいか。
3. スコープ2排出量の算定に用いた排出係数の種類の違い、又は、排出係数の種類開示の明確性の違いにより、事業者に対するステークホルダーの評価はどのように異なるか。
今回の改訂: 改正された通達「電気事業者ごとの基礎排出係数及び調整後排出係数の算出及び公表について」(環境省・経済産業省、2021年6月3日改正)に基づき、調整後排出係数の算出方法についての説明を変更しました。
スコープ2排出量開示ガイダンス(Version 1.1)を下記に記載します。
スコープ2排出量開示ガイダンス目次
第1章 イントロダクション |
第2章 スコープ2排出量 |
第3章 二元報告 |
第4章 各排出係数の概要 |
第5章 二元報告における望ましい排出係数 |
第6章 一元報告における望ましい排出係数 |
第7章 一元報告と二元報告のどちらを選択するのが望ましいか |
第8章 最新の排出係数の使用及び排出係数情報の開示 |
第9章 一般的なマーケット基準排出量の削減方法 |
第10章 予想される事業者に対するステークホルダーの評価 |
第11章 TCFD及びその他の国際的イニシアティブ |
第12章 終わりに
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スコープ2排出量開示ガイダンス英語版(Scope 2 Emissions Disclosure Guidance)
スコープ2排出量開示ガイダンス英語版(Scope 2 Emissions Disclosure Guidance)を下記に掲載します。
スコープ2排出量開示状況データ2021 (企業別)
各企業のスコープ2排出量開示状況を記載した「スコープ2排出量開示状況データ2021(企業別)」を下記に掲載します。
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